秋を五感で感じる
10月。
北海道は日に日に秋が深まっている。
毎日通る道も、見える景色も、見上げる空も
肌で感じる空気や、鼻から抜ける匂いも
気が付いたら秋の様子。
よく晴れた日の空の色も、少し青が薄くなったように見え
長い坂道の手前にある空き地に広がる
すすきの背が、いつの間にか高くなって
そこを車でとおるたびに
前は雑草の向こうに海が広がって見えていたけど
最近は一面にすすきが広がり、奥に青い空が見える。
午後を少し過ぎた時間に外を歩くと
日差しはまだ強いけど、吹く風は冷たいので
少し厚着をして外を歩くと汗ばむ。
日陰に入ると急に冷っと湿った空気を感じ
日向に出ると、日差しの暖かさを肌で感じる。
銀杏の木の下に、黄色くなって散った銀杏の葉と実が落ちていて
実を足で潰してみたら
中から美味しそうな種がでできた。
日が暮れるのも早くて
小高い場所にある職場の玄関を出ると
空はもう暗くなりはじめ
山の上の赤い夕焼け雲が海のほうに向かって
広がっているのが見える。
そして、すぐに暗くなる。
夏のような雨や草の強烈な匂いは
秋には無くて
どちらかと言えば、匂いらしい匂いはなく
そういう空気にかわると
秋だな、という感覚になる。
そういえば、今年はサンマが安いので
サンマが食卓によく上がる。
サンマの焼ける匂いは、秋の匂いかな。
北海道の秋は短い。
すぐに冬が来る。