過疎とか、栄枯盛衰とか。どんなに人が居なくても夕張は美しかった。
随分前に夕張に行ったが
しばらくぶりに、再訪。
前に行ったのは、仕事で利用者の皆様と
メロン城や石炭の歴史村に行ったのが最後。
まだその頃は、廃れているという表現が妥当なように
人はいたけど、ハイカラなものは無くて
昔の栄光にすがっていながらも
観光地としては何の見どころも見出せず
遊園地と絶品のメロンで
観光客を呼び込み
坑道にいる炭鉱夫の人形を見せて
歴史を語っているありがちなテーマパーク
そんな印象だった。
数年ぶりに訪れた夕張は違っていた。
あのテーマパークは木が生い茂り
朽ちている建物が。
廃墟で検索すると
必ず夕張が出てくるくらい。
前日、昔の繁華街を歩いた。
出会ったのは人1人と猫。
蜘蛛の巣のかかっているスナックあと。
繁栄当時は11万都市。
宵越しの金を持たない炭鉱夫達が
毎夜通っていた繁華街も今は見る影なし。
今は8千を切った人口。
栄枯盛衰というか、
明治に石炭の鉱脈が発見されたあの時から
様々な過程を短期間に経て
最新の流行が入る一大都市となり
炭鉱事故が相次ぎ
地球温暖化、火力発電の衰退
急激な時代の流れに翻弄された街。
でも、街の夕焼けも
朽ちた建物もアスファルトも
歴史とは関係なく美しい。
和という喫茶店で
絶品の炭焼きコーヒーが飲める。
夕張の人は、昔一流のものにふれている。
だから、今でも一流のものを知っている。
街のあちらこちらに
過疎の町には似つかわしく無い気がする
モダンな車や佇まいがあるのも
その、当時の名残。
それもまた、街と住む人たちの美しさ。
また来ようと思う。
何も無いかもしれないけど、
そこに息づく歴史を知り
そこに住む人を知り
その人達に会いに行く。
そうすると、景色も全く違う色に見えるから。